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セミナー講演録


第25回CLC情報活性化セミナー(2001年11月20日開催より)
緊急特別講演会「米国同時多発テロに学ぶ 企業危機管理とビジネスの継続性」

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1. 「その時あなたの企業は生き残れるか?」
−日本の企業危機管理の現状−
細坪 信二 氏
特定非営利活動法人 危機管理対策機構 事務局長
細坪 信二 氏
細坪氏は、阪神大震災を契機に米国の災害危機管理を学び、任意団体として97年危機管理対策機構を発足し活動をされている。企業の危機管理の現状を、今回の米国同時多発テロを通じてお話しいただいた。

状況が把握できない中での判断

9月11日の米国テロは、誰も想像し得なかったことですが、危機管理ができていなかったという訳ではありません。アメリカ政府の対応は、二機目がぶつかった20分後には声明を出しています。日本ではテロだと報道されましたが、ブッシュ大統領は「テロである可能性が高い」と表現し、断言はしていません。その断言してない段階で、飛行機の離発着をすべて停める判断を下しました。今回はかなり大勢のテロリストが動き、3弾目、4弾目くらいまで考えていたと思いますが、これを未然に防止するという対応策が取られたと考えられます。危機管理では、状況が把握できない中での判断というのが必要になります。


ある日本の銀行は93年のテロ事件が教訓になり、日頃から避難訓練をしていて、今回も全員が避難できました。日本で高層ビルに入居している方は、「このビルは大丈夫だよ」と言います。一方、彼らは「このビルは危険だ」と思っています。この差は大きいと思います。また、第1ビルに突っ込んだあと、第2ビルでは「安全だ」という館内放送があり、多くの悲しい結果につながりました。その時の判断というのはその人、その企業にあるのです。93年の事件では非常階段が煙突のようになった教訓から、加圧をかけ煙が入らないシステムを取り入れました。ところが今回も同じく、3階から5階までは煙が充満していたということです。ハードの限界も考えなければなりません。


日本企業のビジネスの継続対応は、大手の銀行などは子会社や自社のデータセンターで、小さな支店は提携企業を上手く使って、業務を再開することができました。ニューヨーク証券取引所は、コムディスコという企業のサービスを受けていました。93年のときはコールサイトのデータリカバリーという考え方しかなく、データは立ち上がったが、実際のビジネスは立ち上がらなかったという教訓もあり、95年より遠隔ミラーリングをしたことが、今回は功を奏しました。




危機意識が芽生えにくい文化

災害とテロの根本的に大きく違うのは、テロは犯罪だということです。93年の時は、ビルの倒壊はありませんでしたが、FBIが犯罪調査をするために1ヶ月くらいビル内に入れませんでした。局地的な被害なので、同業他社は通常通り営業を行っています。1企業だけの突発的、甚大な被害というのを考えなければなりません。


日本は、危機管理という意識が芽生えにくい土壌にあると思います。ひとつは米国に比べて安全であるという意識があります。95年のサリン事件は、世界中でテロ事件だと言われています。テロと認識のないのは、我々日本人だけです。そして日本は、ほぼ単一民族なので、欧米のような民族的な紛争はあまり感じたことがありません。また、イスラムの文化、ユダヤの文化、キリストの宗教は、『許さない』というのがベースにありますが、日本に影響を与えた仏教や儒教は、『許す』、『悪いことは忘れよう』という文化です。そういった意味で、教訓が活かされにくいというのがあります。





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